Who am l?
息をきらしながらバカみたいに混んでいる廊下を抜けて、目の前に表れた階段を駆け上がる。
もう、どこに行ってもいいや。
しばらく、一人になりたい、
鉄で出来たような、銀の階段を駆け上がると、そこには階段はないかわりに小さい素朴なドアがあるだけだった。
今まで休憩なしだった足と思考を休ませて、おそるおそる右手をドアノブにかける。
次の瞬間一気に手首をひねり、ありったけの力で何もないただの鉄の板を押し出すと、さっきまではなかった眩しい光が全身を包む。
一歩足を踏み出すと、左右に懐かしい風景が広がる。