Who am l?


考えてもなにも思い当たることはない。

私はチラッと腕時計を目の端でとらえた。


去年、誕生日プレゼントとして妹の鈴蘭から貰ったものだ。


時刻はーー1時半。


途端、顔が無意識に歪むのがわかる。


「やば。 」


一言吐いたあと、私は駅へと猛ダッシュしていた。


峰子の件も気になるが、今の私はそれどころじゃない。


約束は3時。
それまでに洋服と靴とバッグ、髪型を変える。


< 83 / 92 >

この作品をシェア

pagetop