恋路

里中君……。

たまに練習中目が合ったり、後片付けしてる時に挨拶したりはしたけど…。
あれから随分喋ってないな。


「ねぇ、ねぇ!私、明日美と亮クン、お似合いだとおもうんだけどなぁ〜。」


「はぁ?!」

純ちゃんの発言に驚きのあまり、飲んでたジュースでむせてしまった。


「私と孝志でしょ?
明日美と亮クン!
上手くいったら、毎日幸せだよねぇ〜!!」

「ちょっと待ってよ!
私、別に里中君のことなんとも思ってないんだから!!」

「えぇ~?亮クン、かっこいいし背高いし面白いじゃん!」

確かに、顔は男前だし。背高いよ?
面白さは私のツボだけどさ!
それだけで恋にはならないって!!


「ありえない!純ちゃん、都合いい事言うのもいい加減にしてよね!」
「あぁ~ ごめんごめん!」
「もぅ…。」
「でも誘うだけ、誘っていいよね?」

えっ?!


……まぁ、楽しくはなりそうだしね?
嫌なわけじゃないし。


「別にいいけど。
…宿題。ちゃんとやってよね?」
「やった〜♪了解です!!」


まんまと純ちゃんに乗せられて、4人でプールに行く事になったんだけど…。


ちょっと緊張しちゃうな。
里中君。
前よりもっと喋れるかな?
てゆーか、何話したらいいの?!

バスケの事?
…は定番の話題だよね?

里中君、普段何してるんだろ?
テレビとか何見るのかな?
音楽とか聴くのかな?

そういえば、家ドコなんだろ?
兄弟いるのかな?

塾とか行ってたり?
将来はやっぱりバスケの選手とかかな?

てか!
里中君の好きな感じの服どんなだろ?
…どんなコが好きなんだろ?
まさか彼女とかいるのかな?!


……考えれば考える程、悩んじゃう。
しかもなんかニヤけちゃうって!
やだ。なんでだろ?


まさか里中君の事…?

ありえない、ありえない、ありえない!
いい人だけど、それだけはありえないって!


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