恋路
「明日美?
何か最近楽しそうだね?」


今日も練習が終わり、一足先に着替えを終えた私は部室の外で純ちゃんを待っていた。


「沙耶加先輩!」

沙耶加(サヤカ)先輩はバスケ部の副部長。
ポジションが同じDFで、練習でも相談でもすごくお世話になってるんだ。


「何でだ~?!明日美怪しい~!」

「えっ?!なんでもありませんよ?!
せせせせせっ!先輩こそ、最近痩せましたよね?」

「これは、練習のせいだって!」

「え~?!私、全然痩せませんよ!ちゃんと食べてますか?」
「あはははは!食べてる、食べてる!」


沙耶加先輩は悩みなんてあるのかなってくらい、どんな時も明るくて、憧れの先輩なんだな~。
先輩ってほんと何でもお見通しなんだね。


沙耶加先輩と喋っていると、ちょうど純ちゃんが着替えを済ませて出てきた。


「あ!沙耶加先輩♪お疲れ様です!明日美、帰ろう!」
「うん♪ 沙耶加先輩、お疲れ様です!」



…私、最近ニヤけ過ぎてるかな?



「明日美!ちょっと〜!私の話聞いてる?!」

「えっ?!」

「もぉ〜!また妄想に浸るんだから!明日美、最近1人笑い多いよ?」

「うそ?!」


そりゃ、顔にも出るよ。

だって……。

31日が楽しみなんだもん。


「最近、練習楽しいからかな♪」


だって……。

最近、男バスと練習同じだし、里中君に会えるんだもん。


これ、なんで?
私、もしかして里中君が好き…?


……な訳ないよね?

でもさ…


なんでこんなに気になるんだろ?



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