野良猫 lovesong 1
「それよりお前……。」

″それより″じゃねぇし!!
大問題だしッ!!!

そう言おうと口を
開いたあたしは
男の射るような鋭い目線に
口を塞いだ。

いちいち怖いんだよ…!

ビビるあたしなんて
気にしない男は、

「嫌な夢でも見たのか?」

低い声でそんなことを聞く。
ドクンッと心臓が飛び跳ねた。

『………な…んで?』

さっきの夢の内容が
フラッシュバックされる。

「魘されてた。」

無表情な男からは
何も読み取れない。

でも、あたしのことを
心配してるのはわかった。

あたしは男の言った言葉に

『……まぁ、ね?』

と小さく呟き、明かりが差し込む
窓の方を向いた。

コイツ、無神経なのかわかんない。
人の服を平気で脱がしてみたかと
思ったら、夢に魘されていたあたしに
気遣ったり……。

あたしのペースを
乱されまくりだ。


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