† of Ogre~鬼の心理
壁に背を預けながら、空中を見やる。数階上の踊り場で、白光電球が切れかかっているのが、ちらと見えた。
「それで仁、用件は? 冗談を言うほど、余裕のある話なのかな?」
《バカいえ。そんな余裕があるなら、こんな緊急手段は使わんさ》
「オーケー。だったら通信に出るのが遅いとかなんとかの議論はやめて、もっと実質本意、クールにいこう、仁。用件は?」
《ああ》
そして一拍があり、
《例の女の正体がわかった》
「本当かい?」
《ああ。ついでに、真輝が中心街の南区で今、その女と交戦中なのも感知した》
「本当かい!?」
思わず繰り返してしまった。慌てて、感覚を署の外へ飛ばす。外で待機していた蝙蝠の一匹に感覚をリンクさせ、飛ばせる。その蝙蝠から、さらに先の蝙蝠へ、さらに先の蝙蝠へ。
蝙蝠へ蝙蝠へ蝙蝠へ――。
意識の乗り継ぎと、僕が生来から持ち合わせている感知能力を総合した結果――仁の言う通り、真輝ちゃんが例の女と交戦していた。
南区で。
僕が、藤岡悟の亡霊を見た近くで。
〝鬼姫〟の本性をあらわにして、交戦していた。
「それで仁、用件は? 冗談を言うほど、余裕のある話なのかな?」
《バカいえ。そんな余裕があるなら、こんな緊急手段は使わんさ》
「オーケー。だったら通信に出るのが遅いとかなんとかの議論はやめて、もっと実質本意、クールにいこう、仁。用件は?」
《ああ》
そして一拍があり、
《例の女の正体がわかった》
「本当かい?」
《ああ。ついでに、真輝が中心街の南区で今、その女と交戦中なのも感知した》
「本当かい!?」
思わず繰り返してしまった。慌てて、感覚を署の外へ飛ばす。外で待機していた蝙蝠の一匹に感覚をリンクさせ、飛ばせる。その蝙蝠から、さらに先の蝙蝠へ、さらに先の蝙蝠へ。
蝙蝠へ蝙蝠へ蝙蝠へ――。
意識の乗り継ぎと、僕が生来から持ち合わせている感知能力を総合した結果――仁の言う通り、真輝ちゃんが例の女と交戦していた。
南区で。
僕が、藤岡悟の亡霊を見た近くで。
〝鬼姫〟の本性をあらわにして、交戦していた。