† of Ogre~鬼の心理
存在の波長を感知できる範囲は、僕、仁、真輝ちゃんの純で広い。
種族的に、生来から気配を汲み取る感覚に優れた僕が蝙蝠という眷属を媒体にすることで、その範囲と精度は跳ね上がる。
だから僕の脳裏には今、目の前に見える非常階段以外に、蝙蝠の見ている場景も映っている。
すなわち、常とは違う鮮紅爛々の瞳を煌めかせるひとえの少女と、ほの白い顔をした黒色ワンピースの女が、干戈を交えている姿だ。
まさか、よりにもよって、南区で。
僕が、藤岡悟の亡霊を見た近辺で。
今あの、〝鬼姫〟――東城真輝が。
さすがに、苦虫が口中に湧いた気分だ。唾と一緒にごくりと飲み下す。
「っ、なんの因果なんだろうね、これは……」
《アル?》
「仁、さっきまで僕が電話をしていた相手、風間純くんっていうんだけどね?」
、、、
《……カザマ?》
「そう。彼が言っててね。藤岡悟が、真輝ちゃんと接触してないかって」
《フジオカ……カザマ……ああっ、ああも、なんじゃあーったく!? なんじゃらほいだ、くそ!》
「?」
種族的に、生来から気配を汲み取る感覚に優れた僕が蝙蝠という眷属を媒体にすることで、その範囲と精度は跳ね上がる。
だから僕の脳裏には今、目の前に見える非常階段以外に、蝙蝠の見ている場景も映っている。
すなわち、常とは違う鮮紅爛々の瞳を煌めかせるひとえの少女と、ほの白い顔をした黒色ワンピースの女が、干戈を交えている姿だ。
まさか、よりにもよって、南区で。
僕が、藤岡悟の亡霊を見た近辺で。
今あの、〝鬼姫〟――東城真輝が。
さすがに、苦虫が口中に湧いた気分だ。唾と一緒にごくりと飲み下す。
「っ、なんの因果なんだろうね、これは……」
《アル?》
「仁、さっきまで僕が電話をしていた相手、風間純くんっていうんだけどね?」
、、、
《……カザマ?》
「そう。彼が言っててね。藤岡悟が、真輝ちゃんと接触してないかって」
《フジオカ……カザマ……ああっ、ああも、なんじゃあーったく!? なんじゃらほいだ、くそ!》
「?」