† of Ogre~鬼の心理
目立つように右腕を振り上げる。

爪や牙が真輝ちゃんの専売特許だとは思わないでもらいたい。僕とて間違いなく、『鬼』にカテゴライズされるのだから。

女が突進してくる。両腕が、翼のように横へ広がっている。これを内側へ振り込んで、ハサミギロチンを仕掛けるつもりだろう。

僕は、自分の爪が彼女へ届く前に、彼女の手刀が僕に届く前に、霧化した。

ぼふ、という音をたてて、彼女そのものを僕が素通りする。

戦うのが厄介なら、まずは真輝ちゃんを取り戻すまで戦わなければいい。それだけだ。

女をすり抜けて、一気に真輝ちゃんのサイドまで行ってしまう。

本当にどれだけの生命可能性を秘めているのか、彼女の傷はもう癒えてしまっている。

その体を抱き起こした、

「真輝ちゃ」

「どちらへ、」

背後を、

「行くつもりでしょうね!!」

女に取られた。

がら空きの背中へ、すれ違った地点で身を翻した女が、クロスさせている両手を振り払った。

彼女の攻撃は見えない。けれど、感じられる。

僕など一押しにしてしまうほど強大なバッテンマークが、飛んでくる。
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