† of Ogre~鬼の心理
しゃーん。

「いっ……!?」

凄絶、と称していいに違いない波動が、再び女を中心に押し広がる。

さながら、それは爆発。半球ドーム状の殺意が、不可視ながら僕をぶっ叩いた。

防御の姿勢をとっていても、見えない物理攻撃は僕を押し飛ばす。足がコンクリートを離れ、天井に激突した。

着地の姿勢がままならないけれど、真輝ちゃんだけは腕の中に留めているから、そこは自分を褒めよう。

ポジティブにだ、ポジティブに。そう、ポジティブに考えて――

(逃げよう)

と後退判断を下すのに、秒の半分もかからなかった。

女の攻撃は、本来は音の衝撃波ではないらしい。僕のキャンセル能力が、さっきから女の攻撃の一番肝心な部分を『魔術』や『法術』と認識して、消去している。

だから大打撃は受けていないものの、女の言うヒジリネホウジュツという東洋の式は、危険だ。

経験云々や知識からじゃない。もっと簡単でわかりやすい部分、直感がそう言っている。
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