† of Ogre~鬼の心理
仁が行っていたじゃないか。彼女は遥か数百年前、この土地に身を捧げた巫女だと。

巫女ということはつまり、魔を祓うスペシャリスト。僕には衝撃波だけでしかない攻撃も、本来は魔性を討ち祓い、滅ぼすだけの威力があるに違いない。

女の悔しがり方からして、本来は僕のような存在でも滅却させる威力があるのだろう。

はなはだ、このまま正面衝突を繰り返していては体が持たない。

第一、意味もない。相手はなにせ、本体じゃないんだから。

《アル!》

その時、

「仁かい!?」

ポケットの中で、あの付箋が声をあげた。思わぬところで仁の乱入を受け、びっくりだ。

女が、カッと目を見開く。

「その声……やはり、アナタ方は繋がっていたのですね!」

その右手が――しゃらん――大きく錫杖を振り上げ、

「聖音よっ!!」

《アル、天井をぶち抜いて、飛べ!!》

仁の指示が聞こえた直後には、地面へ振り下ろしていた。


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