† of Ogre~鬼の心理
「それより、若干の作戦変更だ。あの女を討つに当たっては、致命傷を受けないという理由じゃお前が一番だが、本体をぶっちめんことには意味がない。となれば、あのままあの女の相手をお前にさせていても無意味だ」

「じゃあ、その本体を叩けばいいんだろう? 僕が」

「そう、お前がな。即身仏というのは厄介にも、基本的に結界で覆われている。俺じゃあ、まずその結界を破らにゃ手が出せんが」

「結界そのものをキャンセルできる僕なら、問題ないね。突入できる」

「そういうこと」

「わかった。場所も割り出せてるよね?」

「当然だ」

舐めてもらっては困る。それに言ったはずだ。

アルがヤツの相手をしている間に、俺が補佐をし、また本体の位置を特定すると。

「どこになる? 北? 東? 西? それとも……」

「それともの先になって悪いが、南だ」

それだけは勘弁してもらいたいところだったろう。アルの顔に微苦笑が浮かんだ。当然だ。

あの女がいるのは南区であり、その南区にはさっきまでいたのだ。

だが、さっきアルが俺を叱ったように、俺にだって言い分くらいはある。
< 307 / 414 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop