ハニー・トラップ ~甘い恋をもう一度~

背中から遼さんの伸ばした足の間に抱き込まれる形になって、初めて直接触れ合う肌に緊張で身体が硬くなってしまう。

「せっかくお風呂に入ってるんだから、もっとリラックスすればいいのに」

肩口に顔を乗せて耳元で囁かれたら、もっと緊張してしまう。

「無理。他人に裸見せるのだって久しぶりで、もうどうしたらいいか……」

「もう他人じゃないでしょ?」

「イタ……っ」

肩をカプッと噛まれ、思わず声が出てしまった。
何もそんな言葉ひとつで、怒って噛まなくてもと反論しようと振り向けば、あっという間にその口を塞がれてしまった。
啄むように何度も吸い付いてくる唇に一生懸命応えていると、唇が離される。

「何かこの格好もどかしいっ。こっち向いて」

身体を反転させられて、遼さんを跨ぐ格好で向かい合わせになってしまった。

「イヤ……」

両手で顔を隠す。

「隠す場所、間違ってない?」

遼さんの目が妖艶に光り、その目には欲情が宿っていた。
今までとは全く違う緊張感に、身体中が疼く。

「み、見ないで……」

遼さんの首に両手を絡め抱きつくと、遼さんが苦笑したのに気づく。

「それはそれで嬉しいんだけど。梓、俺を煽ってる?」

「煽ってないっ!  煽ってない……です」

顔を上げムキになって答えれば、幸せそうに微笑む遼さんの視線とぶつかった。もうこの視線からは、逃れられない。

「可愛い。今すぐにでも、梓が欲しい」

伸ばされた手に頬を包まれた瞬間、ニヤリと弧を描いた唇に言葉ごと唇を奪われた。


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