ハニー・トラップ ~甘い恋をもう一度~

祝いの席もほどほどに酒も入り、盛り上がりを見せていると、枝里ちゃんが帰り支度を始めた。どうやら家で、彼氏が待っているらしい。
席を立つと、俺にだけ分かるようにピースサインをした。
その意味を素早く理解すると、笑って頷く。

-----ここからが本番だ-----

枝里ちゃんを見送るため、彼女が席をはずした。
ふぅ~。姿が見えなくなると、小さく息を吐く。
この後のことを考えると、緊張からか喉が渇いてきた。
冷えた水を一杯、勢い良く喉に流し込む。
身体の隅々まで水が行き渡ると幾分潤って、ヤル気が漲ってきた。

彼女が席に戻ってきたら、いよいよスタートだ。
彼女を俺の恋人にするための……

-----おためしの恋愛-----

梓。これがお前に仕掛ける一つ目の“甘い罠”だ。

< 26 / 312 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop