ハニー・トラップ ~甘い恋をもう一度~

「遼兄、梓さん。おめでとうございます」

「雅哉。ほんとに、ありがとな」

「何だよ、今更……」

お互い照れたように笑いながら、固く握手を交わす。
雅哉くんは、遼さんの店には無くてはならない人。
そして今、私と遼さんが一緒にいられるのも、彼のおかげだと思う。
年下なのにいつも私たちの背中を押してくれる、頼もしい存在だ。

「雅哉くんには、感謝の気持ちでいっぱい」

「本当? 梓さんにそう言ってもらえると嬉しい。ねぇねぇその気持ち、態度で示して欲しいなぁ」

「おい雅哉っ。何言い出すんだよっ!」

「でも麻衣ちゃんの前だし……」

「って梓も、何言ってんだっ!!」

「いえ、構いませんよ。私も梓さん、大好きですし。うふふ」

「麻衣ちゃんまで……」

遼さんがガックリ項垂れる姿を横目に、雅哉くんにガバっと抱きついた。

「雅哉くん、ありがと。遼さんの次に大好きっ!」

さすがに口はマズいなと、頬に軽くキスをした。

「おいっ、梓っ!?」

遼さんの慌てっぷりが参列者の笑いを誘い、しばらくの間、温かい笑みに包まれて穏やかな時を過ごした。
< 310 / 312 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop