ハニー・トラップ ~甘い恋をもう一度~
「遼兄、梓さん。おめでとうございます」
「雅哉。ほんとに、ありがとな」
「何だよ、今更……」
お互い照れたように笑いながら、固く握手を交わす。
雅哉くんは、遼さんの店には無くてはならない人。
そして今、私と遼さんが一緒にいられるのも、彼のおかげだと思う。
年下なのにいつも私たちの背中を押してくれる、頼もしい存在だ。
「雅哉くんには、感謝の気持ちでいっぱい」
「本当? 梓さんにそう言ってもらえると嬉しい。ねぇねぇその気持ち、態度で示して欲しいなぁ」
「おい雅哉っ。何言い出すんだよっ!」
「でも麻衣ちゃんの前だし……」
「って梓も、何言ってんだっ!!」
「いえ、構いませんよ。私も梓さん、大好きですし。うふふ」
「麻衣ちゃんまで……」
遼さんがガックリ項垂れる姿を横目に、雅哉くんにガバっと抱きついた。
「雅哉くん、ありがと。遼さんの次に大好きっ!」
さすがに口はマズいなと、頬に軽くキスをした。
「おいっ、梓っ!?」
遼さんの慌てっぷりが参列者の笑いを誘い、しばらくの間、温かい笑みに包まれて穏やかな時を過ごした。