雨降って、血固まる。
私は秋元と一緒に浜辺に直接座った。



砂が少し湿っている。



潮の匂いには慣れてしまい、もう気にならない。



「辛くないか?」



秋元は、寄せては返す波を見つめながら私に話しかけた。



私がしている仕事について言っているのだろう。



殺しを仕事と呼べるのかは私にはわからないが。



「辛くはない。ただ、時々無性に不安になる時はある」



これから死ぬ男にウソをついても仕方がないので、正直な事を言った。



というより、この男の質問には自然と答えが浮かび、それを口に出す事になんの抵抗もなかった。



不思議な男だ。
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