traitor



泣き終わると同時に少女は

1つの決心をした。


もう目の色はさっきのような
弱い、自信のなさそうな、そんな目じゃなく、
強く、自信に満ち溢れた目だった。


「もう....
 誰も信じない.....」


少女はそう呟くと部屋を見回した。


数ヶ月前まで
親子3人でけして裕福ではなかったが
それなりに楽しく暮らしていた。


でも今は...

広い部屋に1人ぼっちで誰も居ない。
母の日に書いた絵もびりびりに破かれて
足元に散らばっている。
シンクに置きっぱなしの食器。
テーブルには大量のアルコール類。


あの頃の楽しかった平凡な日々の姿は、
面影は、もう何処にもなかった。



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