彼に出会った1年間

「あっ。」

石につまずき懐中電灯を放してしまう。
軽く握っていたせいで
離れたことに気づかずに空君は行ってしまった。

「いたたた。
空君?どこ...。」

辺りを見回しても真っ暗で
懐中電灯も携帯もない。

(どうしよう...。洋平君。)

気づいたらその名前を心の中で何回も呼んでいた。

来るなんて思ってないけど
願ったら来るんじゃないか。

そう願って。

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