あの時の約束
「見せて見せて」
「やっぱり先生は絵得意だね」
「生徒の笑顔が良い。スケッチ、スケッチ」
「先生のやる気スイッチはいちゃた」
「有りの儘の皆を書くぞ」


「色塗り入ろう」
「そうだね」
「先生は生徒全員の似顔絵を書いた」
「早」
「色塗りも終わってる」
「すごい。見直しちゃう」
「カッコいい」
「先生ーこの絵ちょうだい」
「ダメだ。先生の宝物だ。このクラスの事はずっと覚えて置きたいからな」
「先生素敵です」
「ねぇー真衣?」
「うん」

「担任は人気者だね」
「そうだね」
「楽しいね!修学旅行」


「真衣と佳龍の携帯に付いてる、イルカお揃いじゃん」
「本当だ」
「偶然だよ」
「そうそう偶々」
「ちょっと焦ってる」
「本当に偶々だって」
「面白い」


「あれあげたんんだ」
「うん」
「その時、佳龍もくれたて感じでしょ」
「うん」
「本当の偶然やん」
「良いなぁ良いなぁ。お揃いやなんて」
「男らしいね」
「やっぱり変わったね」
「そうだね」
「佳龍、ナイトみたいになったよね」
「うん」

「佳龍、女子に誉められてるぞ」
「えっ」

「写生に集中しなさい」
『はいー』
「吉沢さん、原田君出来てるじゃない」
「まぁ」
「佳龍の絵楽しさが伝わって来る」
「真衣のは自然な感じ出てる」
「コラ!先生のセリフ盗らないで」
「個性が伝わって来る」
「個性は一人一人違うのよ」
「それも先生のセリフです」
「あっ写生に集中しょ」
「そうだね」

「ご飯美味しい」
「そうそう」
「あの先生面白かった」
「うん」
「先生のセリフ取っちゃた」
「先生のあの顔面白かった」
「うんうん」
「君達私語が多いですよ」
「先生」
「気にしない気にしない。気楽に行きましょ」

「立ち去っていたよ」
「先生凄い」

「寝る時間や」
ピロロン、ピロロン
「メール誰から?」
「佳龍からだ」
メールを見た。
<皆が寝静まったらベランダにお出で>
<どうして?>
<流れ星がたくさん見える日だよ>
<判った。じゃまた後で>
<うん>
「何何デートのお誘い?」
「違うよ」
「そうなんだ!なんか残念」
「デートに誘いなよ」
「明日の自由行動の時」
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