あの時の約束

ピロロリン、ピロロリン、ピロロリン
携帯の目覚ましのアラームがなった。
うちは目を覚ました。うちは慌てて起きた。アラームが鳴っている。うちは急いでアラームを止めた。フッと日付を見ると三月二十三日金曜日だった。
「えっ待って昨日まで十月二十二日やったのに戻ってるー」
奇跡が起きた。あれは夢じゃない。幻じゃない。現実だ。本当なんだ。
神様が願いを聞いてくれた。叶えてくれた。チャンスをくれた。
あ、でもチャンスは一回だけ！チャンスを逃さない。
絶対にやり直す。後悔しない様にやり直す。
うちの未来のためにも。
うちは気合いを入れるため髪を一つに束ねた。リボンを整えた。言い聞かせた。
大丈夫。うちなら出来る。うちなら大丈夫。うちならやり直する。だから絶対にやり直す。
「行って来ます」
「行ってらしゃい」
うちはいつも時間に出た。
そしていつもと同じ電車に乗った。そして佳龍に会った。
「真衣の事好きだけど別れよ」
「えっ」
言われる言葉を判ってしまった。
どうして判ったの？
「鶴橋、鶴橋です。…」
うちはパニックになった。
パニックなったのは佳龍が言った言葉をうちは判っていた。(予知みたいな感じ)戻る前も一緒だった。
あの時と一緒だ。変わらない言葉。変わらない動き。今ん所一緒だ。
戸が開いた瞬間電車を降りて改札口まで走った。
そして近鉄線に乗り換えた。
ピロロン、ピロロン
メールを見た。
＜行き成りごめん。俺が真衣の事好きなのは変わらない。でも一旦別れよ！四年後、俺の事が好きやったら又付き合って＞
＜うち四年間待っている。四年後佳龍がうちの事好きで居てほしい。四年後二人が両思いだった時付き合おう＞
＜うん＞
「約束だよ」
「うん」
でもなんで四年後？うちはそう思った。

「佳龍土曜日他の人呼んで遊ぼう！」
「二人が良いなァ！高校生で最後のデートしたいからだからお願い」
「うん判った」
「じゃやあ一時に環状線の京橋の改札口前で良い？」
「良いよ」
「ヤッターじゃあ明日」
「うん」
うちはクラブに行った。
「真衣て好きな人居るん？」
「居るで」
「えっ誰？教えて！明江誰にも言わんから！教えて！」
「四組で音楽部で眼鏡かけてる」
「もしかして佳龍？」
「うん」
「告白したらそれともしたん？」