† of Pupil~瞳の魔力
僕はあの人が魔法使いだとわかった時、とても目を輝かせたと思う。

「魔法使い? じゃあ、火を出したり、光を撃てたりするね?」

「はっ。そりゃあマジシャンか科学者だろ。前者はトリック、後者はレーザー。化学と科学だな。俺はただの魔法使いだよ。意思や言葉だけで発生する不思議な現象は、もう魔法じゃない。そういうのは超能力っつぅんだよ」

あの人との会話は、いつだって公園のベンチだった。

日常こそ摩訶不思議だろ。

その目がよく、缶蹴りや、ボールを追っかけて遊ぶ子供を見ているのを、僕は知っていた。

だけど僕には、ボール遊びをしているほかの子供のどこが不思議なのか、わからなかった。
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