† of Pupil~瞳の魔力
彼女以外の、すべての生徒も、机に座ったまま見送る。

そうして教室に人がいなくなる頃にはもう、夕日が傾いて、金糸のように細くなった斜光が眩しくなっていた。

大木高校はこの辺りでは『中心街』と呼ばれている区画の北部にあるから、旧繁華街西区に聳える大木ホーンタワーによって、夕日はちょうどまっぷたつになって見えた。

僕は、幹に付き合えなかった『理由』を果たすために、目を閉じ――

『目』を開いた。

ぱっくり、と僕のひたいに、光が灯る。

ちらりと窓へ振り替えれば、ガラスにはうっすらと、両目を閉じて、一つ目を開く僕が見えた。

ひたいに、三つ目の、眼がある。

青い青い、ぎょろりとした目玉。

僕の、秘密だ。
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