† of Pupil~瞳の魔力
「風間、一二三」

と、言葉に出して、彼女へ意識を集中させる。
今、どこにいるかはわからない彼女。

家に帰っているか、どこかで寄り道をしているか、それとも部活に精を出しているか。

関係ない。

どこにいようと、僕の目なら、探せる。

僕の、三つ目の目なら。





普通、三つ目の目なんてものは人間にはない。

だからこの目を使うのに、人目は絶対的に好ましくない。

当然幼馴染みの幹にだって、だれにだって見られたくない。

これが幹と一緒には帰れない、『理由』。

僕の、一級の秘密。



ただ、その『理由』の根源、風間一二三さんを探す『理由』は――実はわからない。

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