世界中を敵にしても君だけは離さない





侍女にお茶の用意をさせ、ローズの話は始まった。








「私は花屋で働き、平凡な暮らしをしています。あの日、私はいつものように店番をしていたら、男の人が話し掛けて来られたんです。仕事とは関係のない事です。丁重にお帰りいただいたのですが、仕事が終わって帰宅途中にその男の人がいたんです。一人ではなく何人か男の人がいて……本能的に危険を感じて私は逃げ出したら…全員が私を追って来ました…」







ローズは膝の上に置いた手を無意識のうちに、ぎゅっと握り締めていた。思い出すのも苦痛なのだ。そう思ったレヴァルドはそっとローズの手を握った。


ローズは顔を上げ、レヴァルドを見上げると優しく自分を見つめるレヴァルドに安心し、続きを話し出した。







「最初は何が何だか分からず、ただ逃げました。彼等は何故私を追って来るのか…分からなかったんです。だけど、すぐに彼等の目的は分かりました……」







深く深呼吸をした後、ローズは口を開いた。







「彼等の目的は私を襲い、辱しめる事だったんです……








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