あなたと見る月~新撰組~(編集中)





「……あっ、あぁ。お前に聞きてぇ事があったんだ」


「土方さん何ですか?」



なんか教師になった気分だ。



「お前の持っているそれは何なんだ」



スポーツバックが異様なのだろう。


3人共スポーツバックに釘付けだ。



「これは風呂敷の代わりですよ」


「そうか…。よく分からないが後で見せてもらおう。じゃあお前はどこの出身だ」



土方は腕を組んで鋭い目線をこちらに向けている。



「私の出身は江戸です」


「そうか」



東京出身だから嘘ではない。


言い方が違うだけだ。



「お前は何故道着と袴のままなんだ」



土方は下からじろりと見てくる。



「これしか着るものがないからです」


「はっ?本当にそれしかねぇのか?」


「ないですよ」



3人の目が少しかわいそうなモノを見る目になった。


後はTシャツとGパンしかないので嘘は言ってないがこの目はうざい。



「じゃあ最後にお前は長州の間者か」


「違います」



私は土方の目を見てはっきり答えた。






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