菜の花の君へ

結局、和音は黒田に事情を話して、フランス行きをやめたいと申し出ると黒田はもうフランスから買い付けに人を行かせたと答えた。


「おお、和音、黒田さんからきいたよ。
智香ちゃんとうまくいってよかったじゃないか。

1か月おきに商品は俺が送ってやるから、しっかり仕事しろよ。」


「和紗・・・おまえは。」



「もう、智香ちゃんに和音さんはどうしたら元気が出るか?ってしつこく聞かれてたからねぇ。

俺が一肌脱がないと、仕方がないだろう。
それに如月グループのことなんだけど、人事が一新されたよ。

それで、CEOには俺が選ばれた。」



「な、なんだって!おまえは・・・。」



「悪く思わないでくれ。おまえさんはかわいい嫁と新しい事業が手に入ったんだしな。

くずれかけの会社とおまえたちの架け橋役を俺が引き受けたってことだ。
それにしても、あの絵はキョウレツだったな。

裏側によくもあんなこと書けたもんだと思ったよ。
智香ちゃんは知ってるのか?」


「いや、それは・・・。あっ、絶対チクるなよ。絶対だ!
もし言ったら、おまえを地上から追い出してやるからな。」



「ふう・・・そりゃ勘弁してくれ。
でも、よかったな。おめでとう・・・。」



「ありがとう。兄さんと和紗が僕を支えてくれなかったら、僕は今頃どうなっていたかわからなかった。

感謝してるよ・・・もうひとりの兄さん。」



「おいおい。和音らしくないぞ。
それとも、智香子ちゃんとHでもして舞い上がってるのか?あはははは」



「いや、そ、それはべつに・・・。とにかくだ・・・うちの商品のことをよろしく頼む。」



「がんばれよ。それから、また会おう。」



そんなやりとりをじつはこっそりのぞいていた、智香子は菜の花と自分の絵の裏を見にいってみた。



「あったわ、え~と何何・・・?

『智香子好きだ、智香子愛してる、智香子以外何もいらない。

もし、そんな僕の願いをかなえてくれるならば僕は一生、すべてをかけて智香子につくし続けるだろう。

2人から家族を始めたい。僕の大切な家族である君がずっと僕に笑顔をくれますように・・・。和音。』


うわぁ・・・!!クサイかもぉ。
だけど、うれしい。はずかしいから、じっくり見れなかったんだよねぇ。」



「コホン!智香子が盗み聞きしてたのは知っていたんだけど・・・。」


「ぎゃあ!和音さん。あの、どうしても気になってしまって・・・ね。」


「で、君の返事は?」


「返事ですか?」


「チラっと聞いたような気もするけど、きちんとした返事もほしいな。
なんて・・・。

でないと僕ばかりはずかしい思いをしてるようで・・・。
言ってくれなきゃ、ここで確かめてしまうぞ。」



「和音さんが家族になってくれてほんとによかった。
私は幸せです。愛しています。

でもぉ・・・・・」



「でも?何か不服でも・・・?」



「菜の花に近寄ってはいけないってイジワルされたことは一生忘れないから!ず~~~~っと恨んでるから。」


「なっ・・・そ、そんな。あれはだから、蜂にさされちゃいけないと思ってだな~っていつも説明してたじゃないか。
まだ根に持ってたなんて、ひどいなぁ。」


「うそだよ。ありがと。ずっと守っていてほしいです。
大好き!」



その後、和音と智香子はハネムーンと称して2人でフランスに出向いて、和紗を驚かせたことはいうまでもありません。



END



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