『武士ドルが斬る!?』〈前編〉
「俺…別にもう今のままでも構わないんだけど…!
一体…どーゆうことなのか説明してよ!」
全く面倒だなあ…と思いつつ私は今日研究室で権田先生から聞いた内容を話した。
「京都…四条って…!
今から京都に行くって事!?
無理無理無理無理…。」
弟は私の話を聞くなり無理を念仏のように連呼した。
「やっぱりあんたって薄情な奴ね…!
いつもは…俺、シスコンだからっていって女の子にいってるくせにさあ…!
いいわよ!
歴史好きな素敵な殿方が兄貴になってもあんた文句言わないでよね!」
「そんなー!
まさか…!
サークルの中に好きな奴いるの?
それなら…俺が見極めてやる!」
私の言葉に弟は1人前に嫉妬しながら口を尖らせた。
弟…諷馬は、姉の私がいうのもなんだが顔…ルックスもさることながら成績も優秀なタイプなのに…一つ難点なのは…姉貴依存症(俗にいう シスターコンプレックス)である為‥モテるのにイマイチ本当の恋愛が出来ないていう非常に残念なタイプだ‥!
…とはいえ今回この残念な弟を利用している姉の私も酷い話なのだが今から…日本史サークルの連中の中に1人投げ込まれるという切迫した状況を考えれば道連れはやむ得ないと勝手に自己解釈した。