world's end


思い出すと、つらい。

顔を覗き込まれた。そして申し訳なさそうに離れていった。

私はどんな顔をしていたんだろう


「ごめんね見られたくなかったよね……うちの高校受けるの?」

首を縦に振ると、その人は私の腕をとって歩き出した。

うちの、って在校生……なのか
気づいたら彼の骨っぽい腕は離れていた。

それより男の人の隣歩くなんてしたことないから距離感が難しい。

今にもぶつかりそうで。
鞄をその人の側に持つといかにも避けているみたいだ……


徒歩五分と言われるだけあって、駅から高校まではすぐそこだった。

「頑張ってね 入学式で会うのを楽しみにしてる」

頭をポンポン撫でられて そのまま見上げると、彼は目を合わせて爽やかに笑った。
白い歯と笑うと出る涙袋が 可愛さを感じさせる。


……これは少女漫画か何かか?

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