world's end
ぺこ、とその人に頭を下げてもう一度校門に向き直した。
……気を引き締めて頑張ろう。
人だかりの間を抜け、受験票の番号で振り分けられた教室まで進んだ。二年生の教室だった。
黒板にも番号が指定されており
その中で中央廊下側、前から二番目の机に腰掛けた。
友達と共に来ているらしい人も、さすがに入試の直前はまとめたノートや単語帳を一人で確認していた。
私もノートを確認しよう。
何の変哲もない。特に面白味はない空間、教室だ。
だんだんと埋まって行く机に、胸が騒ついた。
咳や鼻水をすする音、シャーペンで何かを書く音と消しゴムで間違いを修正する時の摩擦の音。
きっと窓側なら車が走る音も聞こえるんだろう。
あぁ、集中できない。
