ふたり輝くとき
「この前、町に行ったときに公園で遊んだ男の子のお母さんのお腹に赤ちゃんがいて。弟か妹が生まれるっていう話をしたんですよ」

その日の夜、双子が眠ってからユベールはリビングのソファでサラと紅茶と飲んでいた。

「赤ちゃんに僕らを取られるっていう発想はないのかな……」

2歳ならまだ母親にベッタリしたい時期だと思っていたけれど……それとも実際に弟や妹がいないとそういう感覚はやはりわからないのだろうか。

ディオンが自らユベールに抱きついてきたり、マノンがいつのまにか光の伝達を覚えていたり、不思議なことばかりだ。

マノンが呼ばなくてもリビングに戻ってきたことからおそらくディオンも光の呪文を使い始めている。マノンの方はユベールやサラに筒抜けだったわけだが。

(ちゃんと、教えなきゃ……あれじゃ、内緒話ができないよ)

ユベールはフッと口元を緩めた。

「きっと、今だけですよ。赤ちゃんがお腹にいるって知って、興奮してるんです」
「ふーん。そういうものなの?」

ユベールが首を傾げると、サラがユベールの胸に頬を摺り寄せる。

「そうじゃなくても……私はこれ以上ユベール様を取られたくないですから」
「サラ……君、僕の扱いに慣れてきてるでしょ。なんか悔しい」
「ふふっ。じゃあ、新しいイジワルを考えてください」

サラがそう笑ってユベールを見上げるから、唇を寄せたのに人差し指で止められてしまった。

「もう……君の方が新しいイジワルを覚えたんじゃない」
「嫌ですか?」
「そんなわけないでしょ――」

クスクス笑い続けるサラの頬を両手で包み、ユベールは彼女にキスを落とした――


I guess I don’t need to look for a new thing because you give it to me... *END*
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