君と、世界の果てで


数日後……


卒業制作も提出し、残り少ない試験も終わった。


というわけで、俺は海辺の家に泊まっている。


ライブの練習と、親に言ってある。


それが終わったら、いい加減に遺品整理をしよう。


あぁ、そうしたら一日中ベースに触れるんだ。


誰にも邪魔されない。




WORLDS ENDの曲は、陸の残したライブの音で、大体覚えられる。


しかし、ライブ音源ではどうにも音が飛んで、わからないところがあった。


というわけで、この日は朝から、スコアを探していた。



「あったあった」



陸の手書きの楽譜。



「生意気だな、お前……」



いつの間に作曲までするようになったんだっけ。


俺は、ベースの弾き方しか教えなかったのに。


まぁ、あれだけの歌姫がいれば、イメージも沸くわな。



「ふうん……」



全体的に、ドラマチックな曲が多い。


歌詞はほとんど、恋の歌。


深音の服のように、装飾過剰で、日本の 風景とはかけはなれている。


< 120 / 547 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop