君と、世界の果てで
数日後……
卒業制作も提出し、残り少ない試験も終わった。
というわけで、俺は海辺の家に泊まっている。
ライブの練習と、親に言ってある。
それが終わったら、いい加減に遺品整理をしよう。
あぁ、そうしたら一日中ベースに触れるんだ。
誰にも邪魔されない。
WORLDS ENDの曲は、陸の残したライブの音で、大体覚えられる。
しかし、ライブ音源ではどうにも音が飛んで、わからないところがあった。
というわけで、この日は朝から、スコアを探していた。
「あったあった」
陸の手書きの楽譜。
「生意気だな、お前……」
いつの間に作曲までするようになったんだっけ。
俺は、ベースの弾き方しか教えなかったのに。
まぁ、あれだけの歌姫がいれば、イメージも沸くわな。
「ふうん……」
全体的に、ドラマチックな曲が多い。
歌詞はほとんど、恋の歌。
深音の服のように、装飾過剰で、日本の 風景とはかけはなれている。