君と、世界の果てで
『カメラを見て、ポーズをキメてねっ☆』
「そんなすぐ決まるか!」
「機械にキレないでよ。
ほら、この見本の真似すればいいよ」
指差された機械の画面には、女同士で抱き合って、頬をくっつけて笑う写真があった。
……拷問だ……!
『行くよーっ☆3・2・1……』
カシャ。
結局深音に抱きつかれた、微妙な顔の俺が写された。
『次のポーズを……』
「だから、決まるか!」
「ねぇ、翼さん」
「あぁ?」
腕をつつかれ、横の深音を見た途端。
その細い体が、背伸びをして。
顔の前に爪をのばされ、思わず目を瞑ると。
ちゅっ。
カシャ。
小さな音がして。
その温かい唇が押しつけられたのに気づいた。
「……テメェ!!」
「ほら、まだ時間あるよ?」
「んあぁ、クソ!!
やりゃいいんだろ!」
そこからは開き直って、深音の言いなりになった。