君と、世界の果てで
『落書きスペースに移動してねっ☆』
言われた通り、機械の裏に回る。
ああ、疲れた。
ライブより緊張した。
俺はその場にヤンキー座りしてしまった。
もう、二度とやるものか。
「なんか書いて、ホラ」
「あぁ?まだあんのかよ……」
機械の裏にまで画面があり、でかいペンでタッチすると、字が書けたりするらしい。
そんなの常識だって?
知るか!!
「適当にやってくれ……」
「えぇー」
疲労困憊でペンを握る気にもならない。
作曲ソフト以外は、どの機械も苦手だ。
深音は若い女の子らしく、テキパキと日付やハートを画面にはりつけていく。
ペンで、
『大好き!』
と書かれた時は、吐くかと思った。
『ずっと一緒』
『FOEVER LOVE』
……もうやめてくれ。
何で金払ってまで、こんな思いしなきゃならないんだ。
これ作ったやつ、恨んでやる……。