君と、世界の果てで


陸と別れてから、何故か落ち着かなくて、

久しぶりに楽器屋を覗いたり、部屋の片付けをして。


使わない物を、庭の物置にしまったりしていた。


夕食をとった後も、部屋から物置に、残った不要品を移動させる。


一旦やりはじめると、終わるまで気が済まないタチなんだよな。


ま、コレ懐かしいなーとか、こんな写真あったなーとかやってたから、

こんな夜になってしまったんだが。



「おぉ……」



冬になったせいか、やけに星がよく見えた。


空を見上げるのなんて、いつぶりだろう。


タッパがあるせいで、いつも周りを見下ろしてるからか。


キラリと、1つの星が、尾を引いて流れた。



「あっ」



しまった。お願い事、間に合わなかった。


陸なら、そんなガキみたいな事を言っただろう。


メジャーデビュー、
メジャーデビュー、
メジャーデビュー!


そう、願い事をしたかもしれない。

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