君と、世界の果てで
「それを……見つかっちゃったんだ、あいつに」
「……彼女さんに……?」
「許せない、汚いって言われちった。
兄貴にチクられなかっただけ、良かったかな」
「……」
「で、少し間を置いて、兄貴がフリーになるのを待って告白したんだよ?
パーツ獲得だけじゃなく、まんまと俺に復讐できて喜んでるだろうな」
陸は声を上げて、ハハハハ、と笑った。
まるで昔の外国のパンクバンドみたいに。
乾いた、自虐的な笑い。
悲しかった。
陸の悲しみが、伝わってきて。
あたしは彼を抱きしめずにはいられなかった。
「陸……泣いて良いんだよ?」
「マジ?
それよりセックスしたいな。
深音ならできるかも」
「いいよ。それで楽になるなら、いくらでもしてよ……」
「……バーカ、処女のくせに無理すんじゃねーよ!」
「もう、陸!」
「アハハ……」