君と、世界の果てで
後ろからペラペラめくっていくと。
中途半端なページに、何か書いてあるのが視界に入った。
「ん?」
そのページは、確かにあった。
真っ白に残っていた後半の中、中途半端に。
ノートを適当に開いて、書いたんだろうか。
そこに書いてあった陸の汚い字を見て、言葉を失った。
『陸に縛られた、私は
翼を持った、あなたに
絶対、届かない
この、汚れた手を
切り落として
切り落として』
詞はそれだけ。
その6行全体が、大きなバツで消されている。
そこへ向かう矢印が、下にあって。
『ボツ!』
と、書いてあった。
きっと、陸自身、誰にも見せないからと思って書いたんだろう。
そういえば、“World's end”にも、他の歌詞にも度々、“翼”という文字が使われていた。