君と、世界の果てで


後ろからペラペラめくっていくと。


中途半端なページに、何か書いてあるのが視界に入った。



「ん?」



そのページは、確かにあった。


真っ白に残っていた後半の中、中途半端に。


ノートを適当に開いて、書いたんだろうか。


そこに書いてあった陸の汚い字を見て、言葉を失った。



『陸に縛られた、私は

翼を持った、あなたに

絶対、届かない

この、汚れた手を

切り落として

切り落として』



詞はそれだけ。


その6行全体が、大きなバツで消されている。


そこへ向かう矢印が、下にあって。



『ボツ!』



と、書いてあった。


きっと、陸自身、誰にも見せないからと思って書いたんだろう。


そういえば、“World's end”にも、他の歌詞にも度々、“翼”という文字が使われていた。

< 447 / 547 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop