君と、世界の果てで
なぁ、深音。
少しは、マシになったかな。
こんなに、たくさんの人に聴いてもらう価値がある歌を。
俺は、歌えてるか?
照明の暑さに焦がされて。
音の震動に揺さぶられて。
君のように、魂を込めて、陳腐な言葉を放つ。
振り上げられる腕達。
名前を呼ぶ大声。
ここで、君と生きていたかった。
本当なら、君の後ろで、ベースを弾くだけで良かったんだ。
だけど。
それが一生叶わなくても。
俺は、俺を求めてくれる人達のために、歌い続ける。
一人でも、そんな人がいてくれるなら。
いつまでも、全力で、魂を削って。
ただ、一曲を除いては。