君と、世界の果てで
「きっと、どこかで生きてますよ!
きっと、きっと、俺たちの曲、聴いてるよ!」
デビュー以来初めて、彼女の事を話題に出したせいか。
崇文は、涙を浮かべ、無理矢理笑って言った。
「もしあの子が、今の湿気た翼見たら、ガッカリするだろうなぁ。
百年の恋も冷めるだろうなぁ」
渚は、眉間にシワを寄せたまま、冗談を言った。
「だよな……。
よし、バシッと決めるか」
「おう」
「頑張りましょう!」
なぁ、深音。
いよいよ本番だ。
聴いてろよ?
な。
俺達は、眩しい照明と、大歓声の中へ飛び込んだ。