君と、世界の果てで
「もし深音さんの病気が売れるための嘘なら、許せないと思ってたんじゃないかな。
あいつの奥さんも、必死で治療したみたいだから」
「……そうだったんですか」
「同じ立場のもの同士、すぐ気持ちが通じたんだな~」
HIROがうんうんとうなずく。
まあ、すぐむこうが退いてくれて助かったけど。
気持ちが通じたという言い方は、少し乙女チックで気持ち悪い。
たった一言で全てを察するなんて、TAKUは超能力者か。
「では、リハーサルを行います──」
スタッフの声が響く。
この歌番組のリハは特殊で、最初から最後まで段取りどおりに通さなければならない。
まず、司会を挟んで、舞台にずらりと出演者が並ばなければいけないのだ。
そしてトップバッターの俺たちは、そのオープニングには出演せず、直接ステージに板づかなくてはならない。