天国のマシュに会いたい
しばらくすると千恵子がマシュを連れて家に帰って来たので、私は玄関まで迎えに出て、キャリアーの中のマシュを見た。

先生が言ったとおり、それほど痛がっている様子は無い。

キャリアーから出して出てきたマシュを見ると左足が半分無くなっている。

人間でいうと踵の少し上、猫でいうと太ももの三分の一くらいが無くなっているが、骨をそのまま二センチくらい残してある。

切ってあるところの肉も包帯で巻いたりはせずに、そのまま肉が丸見えで、血や汁のようなものが滲むように出ている。

その肉が見えているところから二センチくらい骨がそのまま残って出ている。

非常に痛々しい姿である。

しかし、それほどマシュは痛そうにもせず切った肉のところを舐めている。

その姿を見ている私のほうが痛そうで辛かった。

千恵子によると包帯を巻いていないのは、次に診察する時に傷口に引っ付いて取りにくくなって困るからだと説明されたそうだ。

でも、どう見ても痛々しい姿であり、かわいそうにと思うと涙が出てくる。



こんな姿にさせてごめんねマシュ・・・



命を保つ為だとはいえ悲しい結果であった。

私はマシュの便が出だしたので、ゲージの中に入れてあるトイレの砂をそれまで使っていた木の粉の砂から紙製の砂に入れ替えた。

紙製の砂の方が傷口に引っ付いた時に取り除きやすいからである。
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