天国のマシュに会いたい
私は現在、五十二歳です。

いい歳をして、たかが猫のことで何を言っているんだと言う人も居ます。

しかし他の人に何と言われようと、どのように思われようと、私はマシュが好きで、愛していました。

マシュが死ぬ前の私の体重は、七十四キロありましたが、その後、食欲が落ちて、少しずつ減少が続き、現在は六十六キロになっています。

マシュが病気になって以後は、今もテレビをさほど見る気にはなりませんし、新聞も読む気になりません。

週に一度は通っていた図書館も、マシュの死後は一度も行っていませんし、トレーニングジムも行く回数が、めっきり減りました。

まったく何もする意欲が湧きません。

食事をしていると、マシュに私の手のひらの上に少し食事を乗せて分け与えるとペロペロと舐めるようにして食べてくれたのを思い出し、車を運転していると、マシュと一緒に乗ったことを思い出し・・・

いつも、いつも、マシュとの日々を思い出しては、涙が出る毎日です・・・今でも・・・

千恵子の仕事が休みの日に、時々、クロとミルが、どうしているのか見に行くと、無意識に、ミルに向かって
「マシュ・・・」
と呼んでいます。

すぐに気がついて
「ミルやったな。ミル・・・」
と呼びなおしますが・・・
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