天国のマシュに会いたい
しかし、それは致し方がない。

もともと兄弟のように過ごしていた二匹のところへ、マシュがあとから一匹だけやってきたのだから時間がかかるのは当たり前である。

それよりは、わりとすんなりと二匹が受け入れてくれたことを喜ばなければならない。

夕方まで共に過ごしたが大丈夫である。

マシュがクロに近づくとクロが避けるだけで三匹とも、それなりに自由にしている。

いさかいも無く、もう心配する必要は無くなった。

そして夕方になってきて千恵子が帰ってくる時間がやってくる。

千恵子が買い物袋と自分のバッグを提げて玄関を入ってくると、マシュが急いで玄関へ走って行き千恵子と共にリビングに入って来た。

そして買い物袋を置くと何か気になるものでも入っているのであろうか、その中をマシュが覗いている。

しかし、お目当てのものは入っていなかったのか、すぐに諦めた。

その後とりたてて変わったこともなく週末の金曜日になった。

私と千恵子は、この週末の土日を利用して大阪へ行く予定にしていた。

まだ知佳が東京へ行くと決める前に、一度、知佳とマシュの様子を見に行こうと、ずいぶん前から予約をしておいたので、もう知佳は東京へ引っ越してしまって大阪には居ないのだが、旅行がてら行くことにしていたのである。
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