天国のマシュに会いたい
金曜日の夜、猫の餌や水を日曜日分まで充分に用意をして、トイレもマシュ用に使っていたものをリビングに持ってきて、ふたつ用意をしておいた。

そして土曜日になり、私たち二人は大阪に向かって出発し、猫たちにストレスが溜まらないように、洗面室や風呂場のドアまで寝室以外のドアを全部開け放して、家の中を自由に移動できるようにしておいた。



旅行中、私はクロとマシュの関係だけが気になっていた。

留守中を見計らって喧嘩をしないか。

出かけるときもクロは相変わらずマシュを避けていたからである。

千恵子は、もう大丈夫だと言ったが私は心配であった。

マシュが来てから、ずっと一緒にいて面倒をみてきたので、マシュに情が移っているのかも知れないが、日曜日に家に帰りつくまで心配していた。

日曜日の夜、家に帰り着き、玄関のドアを開けると、目の前にマシュが立っている。

私たちが入ると千恵子にすがりついた。

どうやら大丈夫だったみたいで安心し、これで、これからはもう何も心配しなくて済むであろうと喜んだのであった。
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