少女Qの戯れ事


「確証よ」


「確証?」


「確かな証が欲しいんだわ、貴方は私のモノだって」


彼女の赤い舌が覗く。


「逆じゃなくて?」


「私が貴方のモノだと思って?」


彼女は不敵に笑う。

僕は降参したように肩を竦める。


「いいや、君は君自身のものだ」


「そうでしょう?」



彼女が勝ち誇ったような顔で僕を見る。


「そして、僕は君のものだ」


当たり前じゃないと言うように、彼女が僕を見上げる。


「なら?」


「愛しているよ」


観念した僕に、彼女は満足そうに笑うのだった。



少年W


< 4 / 5 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop