幸せの選択
それから、私が派遣先で特定の社員と親しくすることも、注目されるような手柄をたてることも避けた。


だから、坂巻課長に契約延長を申し出られても受けなかったのだ。



嫌な記憶しかない三幸商事の前を通るのも避けてきたこの数年間だったのに、こうしてまた目の前にやってきた過去



ズシリと重くなった心と体は、思うように動かない。

「早く帰れ」と忠告を無視するワケじゃないけど、体が固まったまま


そうして動かない私の元へ鍋嶋が「ごめんね」と言いながら戻ってきた


するとーー
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