幸せの選択
小さな嗚咽も混じった私を、課長は店内の一番奥、人目から隠れた席に座らせた。

更に私を隠すように隣に座った課長は、私が少し落ち着くまでずっと無言で待っていた。


その間ずっと背中を撫で続けてくれていた。

きっと、そのお陰で涙が早く止まった気がする。




「三島、お前もうその男の所には戻っちゃダメだ。また、同じ事になる」


「……」


「まだ、好きなんだ?」

少し苦しそうな顔で私の腕をなぞる課長に、私はきっぱりと「違う」と答える。


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