幸せの選択
無機質な本だけど、今の私にはジンワリと温かさを与えてくれるものに思える。


「三島、乗って」

運転席から降り、助手席のドアを開ける課長の姿は、どこから見ても完璧なナイトだった。


「あの……課長。私もう平気です。だからもう……」

「『あ、そう』ってのこのこ帰れると思ってんの?」



「………」


「三島、俺がお前の心配することまで否定すんなよ」


少し淋しそうな顔をする課長に、それ以上何も言えなかった。


言われた通りに助手席に乗り込む。
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