幸せの選択



課長に促されて個室へ入り、席に座る。
さりげなく椅子を引いて、見事なエスコートぶりに、ドキンと心が跳ねた。


そして、キッチンから手際よく料理やお酒を運んできてくれた。



「すみません。私も手伝います」

「いや、もう終わったから。座って?」



課長は肩にそっと手を置いて、私を座らせると
自分は正面の席へ座った。


そしてーー


「…………」

「…………」


無言でこちらを見つめる課長の少しトロンとした目が、女の私の面子丸潰れなほど色っぽい。


「課長?」

「…………」

「あのぉ……課長?」

「…………」
< 320 / 760 >

この作品をシェア

pagetop