【短編】絡まる糸
「遅かったじゃない。お客さんが来るって言ってあったでしょ」

「うん、ごめん……」


『おい、聞いてるか?』

「あ、ごめん、その話ならあと……」




ゴトッ



無意識に、開けられたドアからリビングに視線を移したとき。


あたしの手から力が抜けて、ケータイが滑り落ちた。



その音に振り返った、ダイニングテーブルでお姉ちゃんと並んで座っている男性。



少し長めの髪を後ろに流して、細いフレームのメガネをかけているその顔。
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