恋とくまとばんそうこう
「で?どーなの?考えた事あるの?」
慌てる友人をけらけらと可愛がる胡桃が急き立てるように質問する。
ぐぬぬと弱々しく唸る澄香の声に、俊は散々自分と葛藤した挙句、ゆっくりとその場所を離れ始めた。
女子のおしゃべりを立ち聞きしている自分というものの居心地があまりにも悪かったのだ。
頭をポリポリとかく。
“どーなの?考えた事あるの?”
聞き慣れた通る声が繰り返し俊自身に問いただした。
どーなの?と。
無意識に俊は歩きながら自分の唇に親指を伸ばす。
どーなのって…。
…。
………。
「(……あー、もう。)」
記憶の端々の、彼女の唇が蘇る。
薄く開かれた、柔らかそうな…。
今まさに、…想像してしまったのだ。
ガシガシガシと短い髪を乱暴に掻き分ける。
あーもう。本当に。
新型爆弾を投下された上に地雷まで自ら踏んでしまった。
滝井青年が、更にその先の方まで想像の手を届けてしまった事は、…国家機密並の秘密である。