オレンジジュース~俺と一人の生徒~
階段の下、
少し薄暗い場所。
声だけが聞こえた。
それは、直の声。
「忘れないから!」
直の声に気付き、俺は足を止めた。
そんなに大きな声ではなかったから、俺以外の人には聞こえなかったのかも知れない。
直の担任は気付くことなく、どんどん先へ歩いていく。
「ありがとう!」
山崎の声は大きかった。
静かな廊下に響くその声に、直の担任は足を止め、空気も読まずに声をかけた。
おいおい…
告白だってわかるだろ?
声かけるなんて、ひどくねぇ?
でも、俺自身…ホッとした。
自分ではその告白を中断させることができなかったから。